私たちは《自分の思いやニーズ》を知り尽くしているわけではないでしょう。同時に、なじみの薄い《モノやサービスの効用》を容易に理解できるわけでもありません。そのため《ニーズ志向》や《説得話法》には、どうしても限界が付きまとうのです。
説得よりも効果的な方法とは?
たとえば、誰かを旅行に誘うような時、旅行がどんなに楽しいかの《説得》を試みても、相手の心は動かしにくいものです。その人は《旅行の必要性》を感じていないかも知れないからです。
ところが《1枚の写真》を見せると、『ええ、綺麗。ここ行ってみたい!』と、態度が急変することがあります。旅行の必要性認識を通り越して、《今行きたいところ》ができたからです。
《1枚の写真》が何をしたか?
では、その《1枚の写真》は、いったい何をしたのでしょうか。一口に言うなら、その人に旅行を《疑似体験》させたわけです。その人は、もう《写真の世界》に入っているということです。
そして、旅行に限らず、様々な商品やサービスを見込み先に《疑似体験》してもらい、自分の心の底に眠るニーズや欲求に気付いてもらおうとするのが《気付きリードマーケティングⓇ》なのです。
《疑似体験》に誘う方法は…?
顧客の《理解》を深めるには、確かな《商品説明》が不可欠です。しかし、その《説明》を聞く動機に至るには、『あっ、それ自分にとって意味がある』という《気付き》がなければ生まれません。
そして、そんな《気付き》を促すのが、提示あるいは提案したい商品やサービスの《活用事例》です。ただし、その内容は《サンプル的な例》ではなく《ストーリー性のある事例》でなければなりません。
ストーリー性のある事例とは?
ストーリー性のある事例とは、事例中の登場人物の《シチュエーション》がリアルであるものです。事例の聞き手は、そのシチュエーション次第で、具体的な疑似体験を始めるからです。
そのため、シチュエーションがあいまいな《顧客の声》や《統計数値》は、ここで言う《事例》には当たりません。
但し1つの事例は万能ではない
但し、シチュエーションがリアルになると、『ああ、それは私とは関係ない』と感じる人も出て来ます。たとえば夫婦の事例は、独身者には無関係だからです。
つまり《1つの事例は万能ではない》わけです。そのため、アプローチ先の多様化のため《事例》を次々に作成あるいは編集しながら、可能な限り定期的に情報発信に努める必要が出るのです。
《情報発信型》マーケティング
その結果、気付きリードマーケティングは《情報発信》と密接に関わることになります。情報発信手段は、ホームページでもメールでも、郵送やポスティングあるいは手渡しでも可能でしょう。
ホームページでもSNSでも、web上に情報拠点を持っておけば、メールで呼び込んだり、出会った人にスマホでサイトを見せたりする方法がとれる分、有効性が高まります。
実施中のご支援形態と今後の形
以上のような捉え方から、2000年から生命保険営業の分野で、2002年から士業事務所分野で会員制度を作り、定期事例情報をご提供してまいりました。保険営業分野では《事例の作り方》の講座も公開しました。
今後は更に、《顧客が理解しなければ簡単には成約しない》ビジネス分野に、必要かつ効率的な形を想定しながら、その領域を広げて行きたいと考えています。